獣鬼

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翌日、浜田が出勤すると 課長の前原が浜田に声をかけた 「浜田大丈夫か?」 「はい、ご迷惑をかけました」 「それで、病気の原因はわかった  のか?」 「はい、判明しました。問題あり  ません」 浜田は笑った 「そうか、良かった。早速だが。また変死体だ」 「はい、今度は毛皮を着た女性の   中身が白骨になっていた」 「えっ?白骨」 「ああ、綺麗な白骨だ。舐めたような」 「鬼かな?」 「ん?」 前原が不思議そうな顔をして 「これが資料だ」 ファイルを浜田に渡した。 「ところで、夜野礼司って何者だ?」 「はい?」 「いや、小島を助けてしてくれた件で歌手の真理子さんには感謝状を出すことに決まったんだが 彼女が夜野礼司にこそ感謝状を出すべきだって言ってな」 「なるほど、その件は後ほど詳しく、ところで小島はどうしています?」 「ああ、1ヶ月半前の暴行致死を認  めたよ」 「よかった」 「達也君の方は立件が難しそうだな」 「はい、しょうがないです」 浜田は肩を落とした 浜田は外に出ると夜野に 電話をした 「夜野さん鬼が出ました」 「ああ、今魔美からも連絡があった。今夜鬼退治をする」 「お手伝いします」 「じゃあ五時に青山で」 「はい」 「魔美からナイルたちのお迎えで連絡があるかも知れないぞ」 「はい、魔美ちゃんの方は任せてください」 「お前」 「魔美ちゃん可愛いですよね」 「ばか!」 浜田は部下の佐藤と月島へ向かった 前原に渡されてファイルの写真は 首と手首と膝から下の肉が残り毛皮の下は白骨になっている猟奇的な写真だった 「わっ、きもちわりい」 浜田は顔を背けた。
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