獣鬼

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「そう言われても、俺はこっちでは年収二百五十万円の運転手だからな」 「ええ?それしか稼いでいないの?」 魔美は馬鹿にしたような口調で言った 「馬鹿!今は厳しいんだよ、運賃が下がって売り上げが減ったんだよ」 「うふふ、運賃が下がったのは最近よ」 「隊長、こっちの世界を捨ててSSATの隊長をした方がいいんじゃないですか?」 浜田は目を輝かせた 「いや、私の世界へ来てママと結婚すればいいのよ」 「あはは」 「そう言えば魔美ちゃんのお父さん何の仕事していたの?」 「う~ん、科学者で大学の准教授」 「じゃあ、無理だ。俺にはできない、向うの世界でもタクシーの運転手じゃあなあ」 「そうかなあ」 魔美は腕を組んだ 礼司達が大学病院の駐車場にタクシーを止めてナイルと嵐丸とごえもんを車内に残し院内に入ると 玄関に女医が待っていた。 それは、南里大学病院にいた川島由美だった 「ああー」 礼司は驚いて川島由美を指差した 「先日はどうも」 「はい」礼司は頭を下げながら 「おい、浜田。お前が入院していた病院の先生だぞ」 「はい」 浜田は納得が行かない顔をして川島に頭を下げた 「そうね、浜田さんが意識を戻した時急用ができて 会っていないんですものね」 「は、はい」 「では、解剖室へ案内します」 「ところで先生どうしてこちらにいるんですか」 「そうね。解剖医が本業なのかな」 「そうですか」 礼司は顔を傾げた
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