獣鬼

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三人は川島から数メートル離れて 「隊長、あの先生うちの由美さんに似ていませんか」 「ああ。そっくりだ」 「ねね、ひょっとしたら」魔美が言うと 「そうかもな」 「ええ、そうかもしれません」 「でも、向うの由美が影響していたら、もっと俺に優しいはずだ」 「それはしょうがないでしょ。うふふ」 三人は別棟の3階の解剖室へ案内された 「浜田さん、毛皮は体から剥ぎ取って隣の部屋においてありますがどうします?」 川島は淡々と話した 「じゃあ、死体から」浜田は礼司を見て言った 「魔美は見るな」 「いや、見たい」 「お嬢さん見ない方がいいわよ」 川島は優しく言った 「大丈夫です」 魔美は微笑んでいった 四人はホルマリンの臭いが漂う 部屋にはステンレスの解剖台があってシルバーのシートが かけてありそれを川島が取ると 三人は息を止めた。 それは、首と手首と膝から先にしか肉がついていなかった
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