獣鬼

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「ええ、霊と人間の思いが何らかの事でつながると 鬼が現れるんです」 「その鬼が?」 「人間を食うんです」 「ええ、本当なんですか?」 「はい、新宿中央公園の事件とか渋谷のライブハウスの事件とか」 「ええ、憶えています、新宿の首なし事件はここで解剖しましたから」 「そうですか。では」 「信じます。その鬼退治をするのが夜野さんと魔美さんなんですね」 「はい、今回の事件も鬼が犯人なんです。でも警察は動けませんから」 「わかりました。それで私はどうしたら?」 「先生、他にもこんな事件ありませんでしたか、毛皮に関する事件」 川島はしばらく考えると 「そう言えば、先週毛皮のマフラーで首を絞められて殺された女性がいたわ」 「ああ、大久保のマンションで女子大生の中村洋子が殺されたやつだ」 「それって絞殺だけですか?」 礼司が身を乗り出して聞くと 「えっ?そう1ヶ所右手を切られた傷が有ったわ、どうして?」 「もしかして、その血が毛皮に着いた、可能性は?」 「ええ、絞殺だったら必ず手でかばおうとするから100%毛皮に着きます」 浜田は断言した 「それが獣鬼が現れた原因だ」 「ええ、そうね」 「浜田、その女を殺した犯人は?」 「まだ捕まっていません」 「捜査状況わかるか?」 「あっ、はい調べてみます」 「そこに居る毛皮の女性の男関係も」 「はい」 浜田は電話をかけに外に飛び出した
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