獣鬼

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「ところで、先生聞きたいことがあるんですが」 礼司が真剣な目で川島に聞いた 「はい」 「ひょっとしたら川島先生は我々の仲間かも知れないんです」 「はい?」 礼司は鬼の世界と浜田と向うの世界の川島由美の存在を話した 「はい、なんとなく解かりました」 川島は不安そうな顔をした 「もし、本当に向うの川島由美さんが来ているならどうやって記憶を戻すの?」 魔美が礼司に聞いた 「うん、浜田の時は煙鬼を倒した時に突然倒れた、だから先生が鬼退治を見れば」 礼司は川島の顔を見た 「はい行きます」 川島が返事をした 「先生、二つの記憶が頭の中で交差します、苦しいですけれど」 「解かりました、覚悟します」 そこへ息を切って 浜田が入って来た 「隊長、関係がわかりました」 「おお」 「そこの死体の女性、井田真知子の交際相手が歌舞伎町『ピート』のホスト加等和則でした」 「女子大生の中村洋子は?」 「ええ、歌舞伎町でキャバ嬢をしていました」 「何かつながりが有ったかも」 魔美が興味深そうに言った 「そうかもな」 礼司は魔美の頭を撫でて言った 「浜田、ホストと女子大生の関係を調べよう」 「はい、すぐにピートへ行って女子大生が客だったどうか調べます」 「頼む時間がない」 「はい、隊長一緒に行ってください」 「そうか、足が無いんだな」 「はい」 「先生も一緒に」 「はい」 川島は白衣を脱いで茶色のジャケットを羽織り 四人は礼司のタクシーに向った 「夜野さん、どうしてタクシーで移動なんですか?」
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