獣鬼

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川島が不思議な顔をしていると 「あはは、本業がタクシーの運 転手なもので」 「えっ、それだけの能力があるのに?」 「そうですね。 だれも鬼の存在を認めないし報酬も くれませんからね」 浜田は訴えるよう に川島に言った 「そうね、私も半信半疑だもの」 礼司達の乗ったタクシーが歌舞伎町 に着くと浜田の部下の佐藤が待って いた 「警部補、ピート の連中はほとんど 出勤しています」 「佐藤、ご苦労 さん」 「あの、この人た ちは?それと猫と 犬も」 「ああ、いいんだ」 四人と三匹は3階 にあるピートに佐 藤と共に入るとホ ストクラブは煌び やかですでに、8 時過ぎの店内には 10人ほどのホス トたちが出勤して いた。 「加藤和則」はい るか浜田が聞くと 全員が首をかしげ たままで 「あっ、すみませ ん。加藤和則は徹 ですね」経営者の 相田が頭を下げな がら言った。 「おい、だれか 徹の事を知って いるか?」 「はい、3日前か ら無断出勤してい ます」 マネージャーの森 下が言うと 「連絡が取れないのか?」 「はい、携帯も電源が切れて いて」 「あいつの住んで いるのはどこだ?」 「今は月島だそう です」ホストの一 人が言った 「夜野さん。聞い た通り被害者と一 緒に住んでいたよ うです」 浜田が言うと 「中村洋子さんが ここの客かどうか 聞いてくれ」 「はい」 浜田と佐藤は中村 洋子の写真を見せ てホストたちに聞 いた
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