獣鬼

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「魔美ちゃん、そ れ誰に聞いたの? 」 「うん、嵐丸とご えもんが歌舞伎町 の猫ちゃんたちに 聞いてくれたの」 「えっ、猫の言 葉わかるの?」 「うん、どうし て?」 川島はちょっとそ の不思議に対応で きなかった 「そういえば、隊 長はやつらの嘘ど うしてわかったん ですか」 「そりゃ、嘘をつ くと体から赤いオ ーラがでる」 「オーラ見えるん ですか」 「うん、見ようと 思えばな」 「すげー、隊長ア ルバイトで占いを やったらどうです か?」 「いや、人間本当 の事を言うと気分 が悪いものだぞ。 俺は嘘は言えない から」 「そ、そうですね」 「魔美、今回の武 器のロープってな んだ?」 「獣鬼は殺しちゃ いけないの」 「ん?どうしてだ ?」 「元々、毛皮は殺 されて人間の贅沢 のためにだけ使わ れているの」 「うん」 「だから凄く恨み が残っているのよ」 「なるほど、もし 殺しても連鎖的に 獣鬼が現れると言 うわけか?」 「そう、獣鬼を捕 まえたら野に放な して」 「わかった」 礼司の運転するタ クシーは十時過ぎ に南里病院に着い た 「魔美待っていて くれ」 「はい」 車を降りると礼司 と浜田と川島は裏 口から病棟に入っ た そして、川島はナ ースステーション で加藤の病室を聞 くと 「315号室よ」 礼司達は眠ってい る加藤の部屋を開 けると加藤の顔を 見た 「ん?」 「どうしました?」 「まだ獣鬼になっ ていない」 「顔は人間ですね」
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