獣鬼

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手は爪が伸びそれ もまた銀色の毛で 覆われていた 「ああ、獣鬼にな っちまった」 「はい、まるで狼 男ですね」 「ああ」 加藤が唸りながら 礼司に飛び掛って 来ると礼司は右に 避けながら加藤の 右手をかかえ加藤 を背負い、投げ飛 ばした 「ああ、武器が使 えないのか」 「はあ」 礼司は加藤に向か ってフックを撃つ と軽く避けて逆に 礼司の顔にジャブ を撃った 「おっ、強いぞ!」 「ああ、言うのを 忘れていました」 「ななんだ」 「そいつ、プロボク サーだったんですよ 。フライ級の」 「それを早く言え」 「リングネームが ダーティ鶴田です 」 「ああ、あの反則 ボクサーか」 「ええ、1年間の 出場停止されてい たんでよく歌舞伎 町で遊んでいたみ たいです」 礼司は魔美にもら ったドラーバーズ グローブをはめる と右肩を前に出し かまえた、加藤も やはり右側を前に 出すように 構えた。 「浜田ゴングを鳴 らせ」 「は、はいカーン」 二人はジャブの打 ち合いで決定打が 出なかった 終盤に礼司は加藤 のストレートを受 け浜田の方へ転が ってきた 「強いなあ、歯が 立たん」 「はい」 「12秒後に足元に 飛び掛れ」 「はい」 「10・9・8・ 7」 浜田が持っていた ロープが光だした 「6・5・4・3 」 その時加藤は力を 緩めた 「2・1いけ!」 礼司が加藤に飛び 掛ると同時に 浜田も加藤の足に タックルをし 加藤を倒すと、す かさず礼司は加藤 に馬乗りになり顔 に何発もパンチを 放つと、加藤の力 が抜けた 「浜田ロープ」 「はい、どうして 加藤は力を緩めた んでしょうか」 「3分経ったから だ」 「なるほどね。プ ロボクサーか」 礼司は手を後ろに 回し縛り足に回し 全身が動けないよ うに縛ると 「浜田、俺は下へ 降りる。そいつを 見張っていてくれ 」 「はい」
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