獣鬼

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礼司は右手を上げ て獣鬼に一歩一歩 近づいた 「シューシュー」 獣鬼は今にも礼司 に飛び掛りそうだ った 「きつねさん、私 達はあなたを助け にきた」 するとごえもんの 目がまるで信号を 送っているかのよ うに光った 「一緒に故郷に帰 ろう」 「危ないわよ」 川島が言った 「大丈夫よ、きつ ねさんこのままじ ゃ洋子さんがうか ばれないわよ」 魔美も獣鬼に近づ いた すると、獣鬼の唸 り声が止まって首 をゆっくり下げ始 めた 「ねっ、一緒に帰 ろう」 魔美が頭をなでた 「ぐぐぐ」 魔美の頬に体を寄 せた 「おお、一緒に帰 ろう」 そして、獣鬼の体 は小さくなり普通 の狐に戻るとごえ もんと乱丸とナイ ルが近づき体を舐 めつづけた 「バタン」 後ろで音がすると 川島が倒れてた 「先生」 礼司はが川島を抱 き上げた 「やはり、先生は 由美さんだったの ね」 「ああ、二人目が こっちへ来た」 そこへ浜田が三階 からシルバーの毛 の色の狐を連れて 降りてきた 「隊長」 「どうした?」 「加藤があまりに も苦しがるのでロ ープを解くと、毛 皮が加藤の体から 離れて狐になって しまったんです」 「それで、加藤の ほうは?生きてい るか?」 「いいえ、死んで いました」 「やはりなあ・・ ・・・」 その側にシルバー の狐が体を舐めな がら座っていた 「さて、行いくぞ 」 「はい?」 「この狐達を野に 放つ」 「大丈夫ですか? 」 「わからん、また 人を食うかもしれ ん」
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