生鬼

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生鬼

プロローグ テレビ局の副調整室はサブと言われ、スタジオが見える部屋でスタジオのカメラが映している映像をモニターに映しディレクターが指示して番組を作っていく場所である。 迷彩服の男は猿ぐつわをされ、後ろに手錠をはめられサブの脇の階段をスタジオに向かって下りて、スタジオの真ん中に下りた瞬間、腹が大きく膨らみその中央から真二つになり首、手、足がバラバラに飛んでスタジオは煙とともに真っ赤に血に染まった。そしてその周りには数人の男が倒れていた。 「浜田、浜田!!」 その時、スマフォの呼び出し音で礼司は目を覚ました。 礼司は布団の中から目も開けずに携帯を取り 「はい、夜野です」 「おはようございます。夜野さん」 それは、タクシー会社の営業の大村からの電話だった 「本日指名が入っています」 「今日?」 「はい、10時にですから1時間早く出庫お願いします」 「今日は休みじゃないか」 「何を言っているのですか。休みは昨日じゃないですか。  今日は3月20ですよ」 「あれ俺、丸1日寝たわけか」 「とにかくお願いします」 「了解」 礼司はあの事件の事を思い出した。 こっちの世界に戻ってきてもう1ヶ月経っていて、例の青山墓地に魔美も現れず携帯電話も通じなかった。 それにも関わらず、毎晩のように見るテレビ局の爆発のシーンに 礼司は嫌な予感を感じていた。 「浜田に何かあったのか」 礼司はそれが気になっていた 10時に指定の方南町の松山宅に着いた。そこは環状七号線と方南通りの交差点から数十メートル入った一戸建ての家だった。
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