2518人が本棚に入れています
本棚に追加
「こ…子供たちに……異国語を教える…?」
「そうじゃ。これからは必要な知識になる。」
「………子供に異国語を覚えさせて何をさせるんですか?
全く得なんかない気がするんですけど…」
市村くんの疑問に私も頷いて才谷さんを見る。
異国語を習うだなんて、反感を買う事にもなるし日本語の読み書きも出来ない子がいるのに…
それでも彼は臆せず、真剣な態度でそれに答える。
「今の日本は荒れとる。その波乱の波を越えられる力が子供たちには必要じゃ。
今、おまんらや長州やらが歪み合い対立してもやがてはいつか平和で戦がない世が来る。その平和を守るのもまた、子供たちじゃ。」
「……確かに今は荒れていますが……異国語が必要になる世が来るとは思えません。」
「そうかのぉ?ワシはそんな世が来ると思う!」
「……………」
なんだか、風変わりな人。
“普通”なら絶対に思い付かない事を簡単に言ってしまう。
………本当に、何者なんだろ…
「で!子供たちの先生を受けてくれるんか!?」
「いえ…だからあ……」
困りながら言葉を口にしようとした瞬間、私の言葉は外からの声で遮られた。
「──……斎藤隊長っ…!」
「………――!!?」
「お?さくらさん!?」
何か考える前に、まず足が動いた
彼の名前が叫ぶように呼ばれていたから…
,
最初のコメントを投稿しよう!