新選組

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────────── ──────── ────── ──── ── 「近藤さん、俺だ。入るぞ。」 低い声が聞こえたと同時に開く障子。 冷たい風と共に部屋に入る男。 「歳、遅かったな。今さっき寝ちゃったよ。」 「すごい傷だらけやからついでに全部手当てするわ。 歳さんそっち座って?」 歩に言われた通り、さくらが壁にもたれかけて眠る場所から少し離れた所に座る。 近藤より背が低く、小柄な体型に似合わず風格漂う薄い藍色の羽織り。 土方歳三。新選組副長。 「本当に異人だな…髪の色も肌の色も違う。」 「瞳の色も栗色なんだ。」 「異人って確かすっごい背が高いんやろ?この子、私と変わらないくらいやで?」 「それは日本人の血が入ってるからだろ。混血の娘…この動乱の中で……」 土方は目を細めて睨むようにして彼女を見る。 「おい歳、奉行所に連れて行こうなんて言うなよ。俺が無理矢理連れて来たんだからな。」 「わかってるよ。あんたのお人好しは十分理解してる。」 ……歩さんにも言われた事を… 彼女はほっとけないから仕方なく連れて来たんだ。 「不逞浪士が気づくのは時間の問題だ。気づいたら匿った俺らもろとも斬りつけに来るぞ。」 「ふんっ…上等じゃない。 会津藩お預かりの新選組を相手にしようってんや、ぎゃふんと言わしたるわ!」 「歩、こいつの体調は?」 「身体中ぼろぼろ。ろくに食事を取らんで来たんやろ。 傷の治りは遅いし、体も弱い。右腕の痣もすぐには治らへん。絶対安静七日、全治一ヶ月ってとこかな。」 壁にもたれていたさくらを歩はそっと床に寝かして掛け布団をかけた。 布団を出す時の音にも気づかず眠るさくら。 「しばらくこの子を置いてやろう。せめて疲れが取れるまで。後は本人が決めれば良い。」 「近藤はんならそう言うと思ってました!私、この子のお粥作って来ます。」 「ついでに部屋と着物を用意して来て。」 歩は忙しく部屋を出ると、部屋には暖かい空気と薄れた香が広がる。 「なぁ、歳。この子何歳だろ?」 「は?二十すぎくらいじゃねぇの?物静かなのはまぁ仕方ないとしても、言葉使いとか立ち振舞いは落ち着いているよな。」 「んー…」 「……―近藤さん、あんた何を考えてる?」 「ん?別に何も。」 二十すぎか… 二十過ぎ…か…… ,
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