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突然言われた言葉に、私は女の子にそっと視線を移した。
彼女の視線の先は、高い位置で結われて風に靡いている私の髪。
茶色に染まっている髪。
「………そうだよ。」
異人…
私は日本人と、アメリカ人の血が混じっている。
茶色の髪と瞳。
寒さからではなく、元々白すぎる肌。
日本人離れした私。
誰もが恐れる姿。
この子だって…顔を青ざめて叫ぶはず。
“気持ち悪い、近づくな”
って……
「すごーい!!」
そうそう…その反応………
「……え?」
「すごーい!!たま異人さん初めて見たけどすごい美人なんだね!!
お姉ちゃんすごく綺麗だからもしかしたらって思ってたの!」
目の前で騒ぎ出す。
その瞳は本当に嬉しそうで、怖さや軽蔑の瞳なんかじゃなかった。
「……怖く…ないの…?」
「えっ?どうして?こんなに綺麗なお姉ちゃんを怖がるわけないじゃない!」
「………――」
その瞬間、背後に殺気を感じ、女の子を抱き寄せた。
「わぁ!!?」
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