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ザザッ…!
地面に倒れ込むような形になった私達。
女の子は何が起こったかわからいようで、私の腕の中で微動だにしない。
「……―――??!」
「……―大丈夫…」
私は女の子の頭を抱き締めてさっきまで私達が居た場所を見る。
そこには三本の矢が地面に刺さっていた。
ガサガサッ
「避けたか…」
「……―この子は関係ない…」
草むらから出て来たのは三人の男
腰に刀を差し、手には弓矢。
「その小娘、お前と親しげに話していた。」
「私が一方的に話していただけ」
「ふんっ……お前が自分から会話をするような女か?」
下唇を噛み締める。
震えて来た女の子を力を入れて抱き締める。
何とか逃がしてあげなきゃ…
「大人しく殺されろ。さすれば小娘は助けてやる。」
「ほら、早く」
「……―あんた達が約束を守るわけない。」
今までそうだった…
こいつらは…
「お姉ちゃん!!」
「……――!!!」
ダンッ!!
気づいたら私は蹴られて弾き飛ばされたようだった。
右腕がズキズキと脈を打ち、声にならない程の痛みが襲う。
霞む目で男達を睨むと、三人の下には女の子。
「…――!!待って!その子は…」
男がニヤリと笑うと同時に、矢を握った腕が振り上げられた。
女の子は手首を掴まえられて動けない。
「……――やめて!!」
やめて!!
これ以上…誰かが傷つくのは…見たくないっ……
「やめてぇ!!」
「助けてぇ!父上ぇ!!!!」
ズブッ…
「…――っ…」
駆け寄って女の子を抱き締めた瞬間、鈍い音がすぐ傍でした。
「……―あ…れ?」
痛みがなく、ふと上を向くと知らない男が団子を片手に立っていた。
……――誰…?
「父上っ!!」
「やっと見つけたぞ、たま!!」
腕の中で明るい声を出す彼女に驚きながら、よく目を凝らして見た。
そこには団子を持った男が、矢を持つ男達を倒していた。
団子を右手にしっかりと持ち、左手は固く握られた拳に倒れて行く男。
………―すごい腕力…
体も大きいし…刀を…
私は女の子を離し、少し距離をあけた。
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