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あたしは小1から小5まで家の事情で家族から一人離れ下宿していた。
その間いたのがこの町。
この町でのいい思い出なんて存在しない
本当はこの町なんかにいたくない
でも、ここに来た。
復讐のために…
「着いた」
あたしは声に出して言ってしまっていた。
長い急な坂道を登って狭い道を行くと着く。そうあの場所。
この街で一番高い場所。景色が一番綺麗に見れるここ。
「変わってないなぁ…」
あたしは一人つぶやく。
田舎にあるこの場所はさほど風景が変わっていなかった。
空は雲一つもなくて遠くを見つめるとうっすらと海が見える
沢山の家と自然
多分あれは桜だろうピンクの塊がある
うん。変わってない。
5年も歳月は経っているのに…
久しぶりの景色に見とれている時だった。
ガサガサ
と何かがいるような音がした。
何か居るのかな?と思って
振り返ったみた。
振り向くと人が居てこっちに向かってきていた。
パッと見わからなかったが
すぐにわかった。
そこにいる人は
あたしがこの町に来た理由の
一人。
神田裕樹がそこにいた。
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