プロローグ

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「くそっ!こんなロープ、ナイフで!」 たかがロープだ。そう確信しての行動だった。 「っ!…斬れねぇ……このロープ、ただのロープじゃ……」 斬りにくいロープなら聞いたことあるけど……これはそれを遥かに上回っている。そう、例えるなら鉄をハサミで切るような感じ。 斬れる気配が全くない。 「ははは!無駄だ!そのロープは俺様特製のロープだからな!何人たりとも脱け出すことは出来ない!!だが、それだけではつまらん。そこで……」 なんだ!?ロープが触手みたいにうねうねと体に絡みついてくる。このロープ意志でもあるってのか! 「そう!蛇みたいに貴様の体に絡みつき体力を奪っていく!これぞ!俺様の超秘密兵器その8《スネークロープ》!!」 「もうちょっとマシな名前にしろよ!!」 ってか、これがその8なら他のは一体どんな危険な秘密兵器が…… 「そんなことより貴様、俺様にツッコミを入れている余裕があるのか?既に貴様は俺様の手のひらのうちにあるぞ」 「げっ!?」 下半身が完全に縛られてるし! もう、下半身の自由が効かない!これはかなりピンチか?! 「ダスト!!」 シルフィー? まだ居たのか。 てっきり、もう帰ったと思ってたが…… 「今、失礼なこと考えなかった!」 考えてました。すいません。 必死にロープを外そうとしてくれるシルフィーに心から謝罪いたします… 「そっ!そんなことよりほどけそうか!」 とりあえず、自爆しないよう話題を変えてみた。ナイス判断おれ! 「う~!だ、だめぇ~!!」 しかし、シルフィ-の様子を見る限りほどける気配はなさそうだ… と、なると『あれ』しかないか。 「シルフィー!『あれ』で斬るぞ!」 「『あれ』!?……っ!わ…わかったわ!」 一瞬、考える素振りをしたがシルフィーは了承してくれた。 まぁこのロープを斬るにはこれしかないな! 「集え!風の力!!」 おれの言葉でシルフィーの体が輝きだした。  
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