プロローグ

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「ほう」 どうやら俺様はこのダストと言う男を過小評価をしていたようだ。 現に今、ダストと言う男は俺様の前に立っている。 「正直、驚いたぞ。貴様にそれほどの力があるとはな」 「…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…くっ!」 呼吸が荒い…。 まぁ当然だ。あれは並大抵の力ではなかった。その辺の奴ならすぐに倒れてるだろう。 あの後、ダストのマナ、シルフィーは輝きながらナイフに宿った。 光で一瞬やつから目を背けてしまったが、十中八九、奴はロープを斬った。 武器の強化。 おそらく、それがあいつのマナの力。 今まで多くのマナを見たが、そんな力を持つやつはいない。 奴のナイフは姿形は何の変化もないが、感覚で感じてしまうほどの強化。 それほどの力だ。 簡単に制御はできん。 それを立証するように、奴の体は何カ所か切り傷が見られる。 言うなれば、紙コップから溢れ出た水が紙コップを溶かしていくようなもの。 このままではいずれ身を滅ぼす。 「はぁ…はぁ…はぁ……ふぅ~。これで捕まえることは出来ないぜ」 呼吸を落ち着かせ、勝ち誇った笑みを浮かべるダスト。 だが、謎の男は不敵な笑みで返した。 「俺様は常に二手三手先を考えている!まぁ貴様がそのロープを破ることは予想外だったか、その程度のことはハプニングにもならん!獅子は兎を狩るのにも全力だからな!」 ふふふ、俺様の秘密兵器は何も道具だけじゃないぞ。 「なんだよっ!その勝ち誇った笑みは」 「俺様が現れた時点から貴様の負けは決まっていたのだ!」 「は?……っ!?」 ダストが痛みを感じた瞬間、勝負は決した。 「なかなか良いタイミングだったぞ。ムーペ」 「当然。ムーペ、失敗シナイ」 完全に姿を消し、この場に潜んでいた俺様の同志ムーペが姿を現した。 その同志がダストの首に注射器を刺したのだ。 ムーペは奴に特殊な薬を打ち込んだ。 もはや意識はあっても指一本動かすことはできん! なかなか面白かったぞ、ダスト!はっはっはっはっはっはっはっはっはっ!  
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