プロローグ

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私の名前はアンナ・レムリ。 錬金術を学ぶこのアルレビス学園の三年生です。 と、言っても飛び級での編入のため私はまだまだ未熟者です。 同級生の人たちにも子供扱いされています。 そんな私ですが今年から一つのアトリエを任されることになりました。 そのアトリエは、私が二年間ずっと通っていた場所。 多分、この最後の一年間も通うことにる、言わば私の思い出が詰まっている場所。 ヴェイン先輩 フィロ先輩 ロクシス先輩 ニケ先輩 グンナル先輩 同じアトリエで苦楽を共に過ごした先輩はもういません。 寂しくない、と言ったら嘘になりますが、私は先輩たちの大切なアトリエを引き継いだ責任者です。 泣き言は言いません。 パメラ先輩 ムーぺさん 私が責任者になった以上、グンナル先輩の時のように好き勝手にはさせません。 「あ……そろそろ時間ですね」 まだアトリエの集合時間よりだいぶはやいですが、責任者として一番はやく行っておかなければ今後の示しになりません。 それに、今日は新入生の入学式があった日。 他のアトリエはあの手この手で勧誘をするはずです。 「対策を考える必要もありますし、時間は無駄にできませんね…」 去年は勧誘は失敗しています。その失敗をまたするわけにはいきません。 「少し急ぎますか」  
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