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「同調…開始」
風のマナが宿ったナイフを握りしめ、風のマナと精神を同調させていく。
風のマナと一つになる。これが一番簡単な表現だ。
しかし、これ決して簡単な作業ではない。
マナと人間では精神の基本構造から違う。
それを一つにするなど不可能に近い。
だが、ダストにはそれが出来た。
幼少の頃から共に過ごしたマナ。
そのマナと協力して何かを成す。それがダストのたった一つの生きがい。
昔から、どんなことをしてもすぐに飽きてしまう飽き癖もあったが、ただ一つこれだけは飽きることはなかった。
毎日毎日、風のマナが付き合ってくれる限り何度でもした。
その努力の成果はすぐに現れた。
最初はただ風が纏って涼しいだけだった。
それが、刃のようにすることができたのだ。
たが、限界も感じていた。
どんなに努力してもそれ以上の結果がでない。
結局、独学でマナの力を完全に引き出すのは無理な話だった。
何度やっても進歩しない自分に嫌気をさした時期もあった。
そんなとき、リンがこのアルレビス学園について教えてくれた。
錬金術を学び、マナと共を引き出す術を教えてくれる。
その学園なら、自分に足りない何かを見付けることが出来るかもしれない。
そう思い、ダストはこの学園に入学を決めた。
ちなみに入試はリンの協力のおかげでギリギリで入れたものだった。
「……同調…終了…」
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