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力を込め終わったナイフを光にかざして見てみるとウッスラと何かが纏っているのが確認できた。
「ふぅ。まぁまぁかな?」
何年も続けてきたこともあり、いちいち試して見なくてもどれぐらいの力を得たか分かるようにはなった。
今回は上出来だ。
「よし!今日は終了。もう帰ってもいいよ」
「え~!もう帰れって言うの!学園案内は?」
おれの言葉を聞き不満げにナイフから出てきた。てか、マナのお前に学園の案内してなんになるんだ?
「学食とか、食堂とか、購買とか、気になるしさ!案内してよ!」
はい、気になるのは食べ物がらみのことだけ!
もちろんおれもそれしか興味ないけどさ。
「案内って。今サボってるのに動き回れるわけないだろ。今は我慢しろって」
「イヤ!さっきダストのわがままに付き合ったもん!次はあたしの番!」
それを言われたら反論ができない…
だけど、動き回れない以上…
「わかった!今度、アイス買ってくるから、今回は勘弁してくれ!」
本日、二度目のお願いタイム。
リン相手ならまだなんとかなるんだけど、こいつを騙すことはおれにはできない。
「ぅ~3つ!」
「3つ!?
ま、待て!おれの財布の中身は既に風前の灯火だと知っているだろう!!
おれの財布には今500円だけだぞ!!!」
「3つじゃないと帰らない!」
そんな風にツーンってそっぽを向かれたら、少し寂しいだろ!
相変わらずこいつはおれの弱点をついてくる…
「わかったわかった!3つ買ってやるよ!だから、こっち向けって!」
「本当に!!やったぁー♪」
くぅ…負けた気分だ。
これからどうやって飯食おうかな…
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