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「!!…誰だ!?」
屋上にはおれと相棒のマナ、シルフィーしかいなかったはずだ。
現に今辺りを見渡しても誰もいない。
「ははは!どこを見ている。俺様はここだ!」
「ダスト!上!」
シルフィーの指示に従い、真上を見上げる。
だけど上にはなにもなかったはず…
「うわあぁっ!????」
思わず尻餅をついた。
確かにいた。
真上にいた。
何もない空間にまるで王者のようにマントを羽織り仁王立ちしている男が。
「なっ!なんなんだ、あんた!てか、どうやって浮いてる!?」
「ふっそんな細かいことは気にするな!そんなことより、貴様の力は見せて貰ったぞ!」
「こ…細かいかなぁ?」
お前の言うとおりだ。全然、細かいことではない。だけど、追求したら負けという感じがした。
しかも、よりにもよってあれを見られたなんて…
「その力興味がわいた!貴様、俺様のアトリエに来てもらうぞ!」
「はぁ?なんだよ、アトリエって?」
入学式に説明されてた気がするけど覚えてない。
「アトリエを知らないだと!?それはまた都合が良い…よし!俺様がアトリエについて教えてやる!ついて来い!」
怪しすぎる!都合が良いとかも言ってるし!
こいつと関わったらロクな事がない!!
なぜかはわからないが本能が告げている!
ここは伝家の宝刀で切り抜ける!
「あっ!ぷにぷに!?」
「なに?」
完璧だ!怪しい野郎は俺から視界を外した!これなら逃げれる!
伊達にリンを騙した作成じゃないんだよ!
さらば!怪しい男!もう二度と会うことはないだろ!
「あっ!ダスト!」
「っふべ!?」
「ご…ごめん。間に合わなかった…」
おれは無様に地面に倒れている。そんな馬鹿な…何もない場所でおれが転げるなんて…
「ははは!無様だな!俺様がその程度の策が通じると思っていたのか!」
怪しい野郎は転げたをおれを文字通り見下ろし、邪悪な笑みを浮かべている。
くっ…いったいなにが…
「いっ!???」
目を疑った。おれの足がいつの間にかロープでぐるぐる巻きにされている。
「嘘だ…ろ?」
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