子供の日

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よく晴れた日に僕は生まれたらしい。 そう、いわゆる五月晴れの日。奇しくも、その日は日本の黄金週間最終日にも当たる日。だから皆は僕の誕生日よりも、休日に夢中ってわけ。 まぁ、昔は友達が祝ってくれなくて拗ねたりもしたけど今はもうそんな歳じゃないし、とくに感慨はない。というより、年に数回しか帰って来ない僕の両親がこれでもかってぐらい祝ってくれるから、実はそう淋しくもなかったりする。 全く、あの夫婦はいつまでたってもラブラブで見ているこっちが、恥ずかしくなる。 まぁそんなことはいい。今問題なのは……。 「あの……、それで僕はなんで、縛られてるんでしょうか?」 学校で見知らぬ女に襲撃を受けた僕は、屋上で縛り付けられ正座をしていた。 下手に出たのは彼女があまりにも眼光鋭く血走っていたからにちがいない。 「退治」 意味がわかりません。僕はこの娘に退治されるようなことをしたでしょうか? しかもこの子、日本人形みたいに綺麗な黒髪なのに、目だけ碧眼なんです。めちゃくちゃ浮いてます。 「あの~何かの間違いじゃないですか?」 僕がそういうと彼女は見るものを氷漬けにしてしまうような眼光で睨んだ。 こ、怖い。 多分、年下なのにめっちゃ怖い。 やっぱ、休みの学校になんてくるんじゃなかった。 「どの口がいう」 彼女の物いいったら、明らかに上から目線。今日は僕の誕生日だっていうのにいいことない。帰ったら、両親がいて祝ってくれてるはずなのに。 「だから、何かの間違いだって!俺は君に退治されるようなことなにも……ひっ!」 すうっと伸びて来たのは、アンティークナイフだ。銀製の鈍い光沢を放ついかにも高そうなやつ。
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