24人が本棚に入れています
本棚に追加
「まだ待ってんのかぁ?」
『黙れパウリー』
「容赦ねぇな;;‥だってよぉ、もう一年だぜ?」
『ふーん‥』
「ふーん、て。人事だなテメェ‥」
『…だって、まだ信じられないもん‥』
「そんな傷、残ってか?」
パウリーが私の胸元を指差す。
そこには痛々しい傷跡が一つ。
それをつけたのは待ち人である、彼‥
「それに、あのルッチのヤツは助かったとは聞いたがアイツのことは全然」
ガスッ
「ってぇーっ!酒瓶で殴んなよっ!!」
『煩いなぁっ黙ってろ借金魔!』
「んだとー!?」
『きゃー借金取りさーん!ここにパウリーがっ』
「わーーっ!?テメェッざけんなっ」
半分ふざけて言ったつもりが、すぐに借金取りが追いかけてきて、逃げるパウリー。
…借金取りの皆さん、お疲れさまです。
こんなやりとりも、以前のままで‥
一年経った今は以前の活気に満ちていた。
だから‥ふと虚しくなる‥
“相変わらずバカじゃのう”
独特な喋り方に、イントネーション‥
いつも横に居た彼が、居ない‥
確かにパウリーが言った通り、ルッチの噂は聞いたが、彼の生死については耳に入ってこない。
だから、私は待つしかなかった
最初のコメントを投稿しよう!