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『あちゃー…』
足元にばら撒いた書類の数々…
「また派手にやったっぽー」
「ったく、いい迷惑だぜ。」
『…ごめんなさいっ!!』
またドジをやった。
ルッチとパウリーがやれやれと首を振って呟く。
あ、やばい泣きそ
「……ほらよ。」
「気をつけるっぽー」
『…え?』
見ればぶっきら棒に差し出される書類。
なんだかんだ言っても世話をやいてくれる…
『ありがとうっ』
泣きそうだったのが自然と笑顔になった。
「……」
そして気付く違和感。
ぱたん、
「おい、カク?…て、行っちまいやがった…」
パウリーの言葉に扉へと目を向ける。
途中で窓から飛んだのだろう、
オレンジ色のジャージが空に一瞬見えた。
その一瞬見えた顔があまりに苦しそうだったから…
「!っどこ行く気」
『カクさんのとこ!!』
パウリーの言葉を遮るように叫んで走り出した。
『っはぁ、はぁ…』
直ぐに後を追ったが、やはりカクの足になど追いつくはずがなくて、
取り敢えず一旦足を止め周りを見回す。
「………誰を探しとるんじゃ?」
『っカクさ』
ぎゅっ
『え…』
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