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後ろから聞こえた声に
振り向くより先に抱きしめられた。
『カク、さん?』
「…」
顔を見ようとするとそれを拒むように方に顔を埋められる。
「……走って来たんか」
ポツリと呟く声
私は一つ頷くことで肯定した。
『…カクさん、苦しそうな顔してたから…』
「!!」
一瞬カクさんの体がビクッと震える。
そしてゆっくりと腕を離した。
開放され、体を反転させると
「…見るな」
顔を片手で隠したカクさんがいた…
「ワシは…お主が好きじゃ…」
はっきりとした声が、響く
「お主の笑顔を見たルッチ達に、嫉妬したんじゃ…」
『カクさ…』
「…こんな嫉妬に狂ったワシを見ないでくれ…」
今にも崩れそうな声、
私はそっと抱きついた。
『私…カクさんが好きです。』
「…」
『どんなカクさんでも、好きです。』
「…」
『…だから、心配しないで…?』
そっと見上げると、今にも泣きそうな顔があった。
そのまま頬に手を添えられ
ゆっくりとその顔が降りてくる。
目を閉じると、唇が重なった…
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