ちっちゃな命

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2004.3/8… 当時、私は実家を離れ仙台に専門学校の友人と借家で二人暮らししてました。 あんまり綺麗とは言えない家だったけど…約一年住んで、思い出もできました。 18日には専門学校の卒業式が控えており、三年への進学希望していた友人とはこの年でお別れ…新たに別の住処に移り住む準備も行われてました。 夜、いつものように友人はバイト。私は部屋でテレビを見ていると、縁側の戸をたたく音… ドンドンッ 『は~い』 なんとなく誰がたたいたかは予想がついており、カーテンと戸を開け声をかけた。 『なにしたん?』 『ごめんねっ』 と、顔を出したのは近所でペットサロンを経営している祖母。近所の柴犬、アトムの出張散歩の途中のようで綱が握られており、その先にはキョトン顔のアトム。左手にはもぞもぞと動く物体…。 『店の外でさ~夕方からずっと子猫の鳴き声が聞こえてて~』 『んで?』 『んで、見さいったら…』 話はこう… 店の向かいに置かれたコンテナらしき所に袋が掛かっていて、その中に“生まれたての子猫”が捨てられていたそうな…。ちっちゃな体を震わせて、必死に鳴いてた…と。 『まだ、へその緒ついてるじゃん…』 『可哀想でさ…』もぞもぞと動く子猫は眼も当然開いてない、両手で握ったら収まるほどちっちゃかった…。 『あたし飼う!』 『でも…』 『じゃあ、とにかく預かるから』 こうして、子猫が家に来たのでした。
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