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子猫を預ずけ、祖母は散歩に戻っていった。
『何で捨てんだべなぁ~…』
この子を捨てた心なき飼い主に怒りを感じつつ、バタバタと寝床を準備した。
手頃な大きさのダンボールに私が寝るときに使ってた“電気あんか”を熱くなりすぎないようタオルで巻いて入れ、ハロゲンヒーターもそばに置いてあげた。
うちの借家はもの凄く寒くて、石油ストーブをつけてても…吐く息は白かったくらい。この年は特に寒かったのかなぁ…。
『これでよし、と♪』
とりあえず、寝床は確保。さっきまで凍えてた子猫がぬくぬくと暖かそうにしてる。子猫や子犬は寒さでも死んじゃう。命に関わること…この業界の人でなくとも、生き物を好きな人ならわからなくない常識。間違いなく人間の赤ちゃんにも言えること…。
安心したのも束の間、すぐに次の心配ごとが…。そう、ミルク!初乳すら飲んでないとすればお腹んなかは空っぽ。
『早く飲ませてあげないと死んじゃう!』
私は慌てて財布と鍵を握りしめ買いに走りました。
時間的にまだホームセンターが開いてる頃だと思い、目指して車を走らていたら…目の前に“通行止め”の看板と迂回路を指す工事のおっちゃん。
『マジかよ~…』
苛立ちと焦りを抑えて迂回路へ。真っ暗な田んぼ道、目的地は分かれど…どんどん遠ざかっているのに、またイライラしながらも何とか到着。急いでペット用品コーナーへ…粉ミルクとほ乳瓶ゲット!
これで一安心と胸をなで下ろしお会計。でもやっぱり、帰りも倍の時間がかかったのでした。
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