3.交流会

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さて、ここで問題だ。 交流会とは何か。 有明学園代表会規則によれば、“クラス全員で何事かを行い、親睦を深めること”らしい。 ……帰りたい、物凄く。 「蒼クンは、何を帰ろうとしているのかな?」 いや、だって、李緒サン。 僕らクラス交流会とか今更じゃあないですか。 持ち上がり組にとってクラス替えなんてないに等しいものでしょう。 なのに、毎年行われるこの交流会。 果たして参加する意味はあるのか、って思ったって俺は悪くないと思うんだ。 「1人だけで帰ろうとするな。 抜け駆けは許さない」 なんて、考えていたら見事に和希にも加わられ、逃げ場なし。 俺の負けが決まったところで、目的地へ向かうバスへと乗り込んだ。 そのバスは、たまたま同じ場所へ向かうことになった2年生のあるクラスと一緒だった。 その2年生のクラスを見て、和希が焦ったように見えたのは、きっと気のせい。 エスカレーター式であるとはいえ、クラス内の交流は密に行われるが、先輩と関わる機会なんて、運動部所属で無い限りはありえない。 顔見知り程度の知りあいとなれば、ライヴに来てくれる人やバイト先の知りあいくらいだろう。 何人かは有明生だと聞いている。 そんなこんなで、ゆらりゆられて目的地に到着。 現地に着き、先輩とも交流してねと一言いただいて、俺は和希と李緒の近くへ向かった。 バスの座席の関係で前の方に乗っていた2人は先に降り、クラスの奴らを誘導していたのだ。 俺は2人よりも後ろにいたので、一緒に回るために合流するってとこだ。 向かう途中、2年生のグループに珍しい髪色を見つけた。 李緒のような天然ものの金でも、人工的な赤でもない、銀。 ヘアバンドを使い、立てられた髪は、どうやら天然ものらしかった。 「……銀髪なんて、いるんだな」 俺は呟いて、2人の元へ急いだ。 ……その時、その銀髪が李緒の方を見ていたなんて少しも気づかずに。 俺は2人と合流して、今回の目的地であるネズミの住む夢の国に入った。 流石は夢の国。 平日だというのに、私服の人間がごった返している。 ライヴで慣れているとはいえ、流石に人に酔いそうだ。 「……蒼太、生きてる?」
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