1.入学式

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だから、指定席もなく、適当に詰めて座っておくって感じ。 クラス発表は式典の後に、講堂脇の掲示板で一斉に貼り出しする予定。 ただな、この発表難点があって、人数が多いってことは必然的にクラス数も多いわけで。 自分の名前を捜すのが大変なんだよ。 まぁ、持ち上がり組はおおよそクラスナンバー変わらないからだいたい前年度のクラスのとこから見れば名前がある。 2年以降は進学別でクラスが分かれるから見当もつけやすいし。 「あぁ、そういえば今年は珍しく外部性がA組配属らしいよ」 突然思い出したように呟いた李緒に驚いて顔を向ける。 毎回思うんだが、なぜかこいつはこういった発生源が不明の――たいてい本当の――噂をどこからともなく仕入れてくる。 一体どこからどうやって手に入れてんだか。 「さらにね、その外部生って女子みたいなんだよねえ。 せっかく先生におねだりして過ごしやすいメンバーで固めてもらってんのに」 後半小声にしたみたいだけど、十分聞こえたからな。 ついでにお前の黒い部分なんて百も承知だぞ、俺達。 「ってか、それどうやってゲットするんだよ」 出所もわからない上、追加情報付きってお前マジどんだけなの。 ほんっとに意味わかんねえ 「んーとね、バイト中とかいろいろ、かなぁ」 まじかよ。 俺も同じとこでバイトしているんだけどなぁ。 まぁ、一番人気だし、客も幅広いけども。 あと、色々にはツッコまないでおくからな。 絶対だぞ。 フリじゃないからな。 「無論、俺も知っている」 「お前もかい!」 いや、知らないの俺だけなの?! 俺だけ知らないって、どうせなら教えてくれてもよくないか。 ちょっと膨れ気味に落ち込んでいたら、李緒が何かを思い出したように目線を上げた。 「でも、蒼太のお客(トコ)も知ってる子居たよ? えーと……、ほら。 会長ちゃん」 「会長?」 あ~……、そういやそんなこと言ってたかも。 俺の想い出すような表情にハッとなったのか、李緒が苦笑いをした。 「ダメじゃん、ちゃんと話を聞いてなきゃ」 アハハって感じに笑い、李緒は足を組み直す。 相変わらず、長ェ足だな。 無駄にデカいし。 確か、どっか外国の血が入ってんだっけ? それはいいとして、だ。 「俺は聞いてるけど、覚えないんだよ」
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