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そんな日当たりの席で、外の桜をぼんやり眺めていたら、担任が到着したらしい。
担任は古典担当の女教師で、代表会の顧問も兼ねているとこのこと。
自称男勝りのさっぱりしたタイプの人、だと。
李緒への視線で違うってのはうっすらと感じた。
あと李緒、珍しく表情に出てるぞ。
「それじゃ、自己紹介からね。 1番の人、前に来て」
1番から順に始まった自己紹介は“早見”姓である俺にとっては退屈な時間だった。
何にしろ殆どが内部生で見知った顔だし、俺「ハ」だから後半だし。
馴染みばっかだからネタはさんで来るやつもいるけど。
「2番、天野千鶴です。 外部入学で緊張してますが、どうぞよろしくお願いします」
ふーん、噂の外部生の1人目か。
黒髪で随分と大人びた印象だ。
「16番、神条和希。 幼等部からの持ち上がりだ」
おいおい和希、もうちょいなんか言ったれよ。
内部の奴らも苦笑してんじゃねえか。
本当にお前は愛想も欠片もない。
「29番、永岡李緒でっす。 同じく幼等部からの持ち上がりで、学園代表会のメンバーです! 困ったことがあったら俺に言ってね~」
これ、これだよ、和希。
李緒のこの愛想の良さを少しは見習え。
それかお前ら足して2で割られろ。
ある意味凸凹コンビでバランス取れてるのかもだけど、本当にお前ら正反対だよな。
「30番、鳴海澪、外部生。 よろしく」
……お前もか。
っていけねえ、初対面でツッコミはねえよな。
落ち着け俺、冷静になろう。
って、あれだ。
30番ってそろそろ俺じゃん。
「35番、早見蒼太。 中等部からの持ち上がりだ、よろしく」
で、俺が終わればそろそろ終わりだ。
最後の番号の子は……。
「41番、安原陽菜です。 外部生でまだ全然わからないことだらけだけど、え、えと。 よ、よろしくお願いします!」
緊張しいなのか、ものすごくどもっていたけど、凄い可愛い子だった。
李緒が少し驚いてたのは背中から悟ってた。
何か驚くようなことあったかな。
「自己紹介は終わったかしらね。 これから交流会の計画たてましょ」
と担任が続けてたので、俺の思考はストップした。
交流会って、あー……。
そういえば、最初の遠足必須だったっけ。
他学年と場所被ったりするんだよな。
そのお蔭でクラス別で行き先違うけど。
「永岡君、頼んでいい?」
「あ、ハイ」
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