【第1章】

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       彼女は大抵3人ぐらいのグループで行動していた。   友人が学食のおばちゃんから“それなりの定食”を手渡されテーブルに着くまで、彼女はいつも持参の弁当を広げて席で待っていた。     俺は、なるべく彼女の視界に入らないような隅の方に席を取り、密かに彼女を観察していた。   ……今思えばストーカーみたいやな……       『 彼女の持っている雰囲気が、俺が次に書きたいと思っている小説の主人公にあまりにもしっくり来てるから、その為にこうして観察しとるんや……』       俺は心の中でずっとそう思っていた。         だが……   友人たちの前で明るく楽しげに振舞っている彼女だけれど……   どことなく彼女には影があるように俺には感じられた。        
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