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俺はいつも、出来るだけ離れた位置で、それでもちゃんと彼女が見える範囲で観察していたつもりだったんだが……
ある日の学食はあまりにも混雑していて、俺が座っている隅の方にしか空いた席がなかった。
そこに彼女たちのグループが座ってしまったのだ。
平然とした顔で唐揚定食をつつきながら、心中穏やかじゃなかった。
『この距離だと……彼女たちの会話が丸聞こえやな……でも……ええ機会や、なんかわかるかも知れへん……』
俺は自分がこんなにも彼女を気にしている理由が自分でも分からず、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えていた。
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