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『はあ……やっぱりコイツ……メッチャ可愛い……』
俺はたまりかねて椅子から立ち上がると、美優の身体を思いっきり抱き締めた。
「……っ!?」
突然の抱擁に戸惑う美優。
華奢な身体を抱き締めて、サラサラの髪に顔を埋める。
「な、尚之さん? どうしたの? 急に……」
俺の腕の中にすっぽり包まりながら、動揺を隠せない美優。
「美優……ええ加減“さん付け”やめてや……」
「え、でも……なんかまだ……照れ臭いよ……」
「そんな事言うなや……俺はお前のなんなん?」
少し意地悪く俺は言う。
「え……美優の……旦那様……」
今度は耳まで真っ赤になりながら、美優は小声で答えた。
「それやったら遠慮いらんやろ? いつまでも他人行儀なん、やめようや」
「違っ……」
わかってる。
美優は極端な恥かしがり屋だ。
そんな美優がかわいくて、ついついからかってしまう。
「ぷっ……」
思わず吹き出した俺を見て、美優はしかめっ面。
その顔もまた可愛い。
『なんやかんや言うて、俺、美優にベタ惚れやんなぁ…』
心の中だけで呟き、俺は可愛い新妻の頭をポンポン、と軽く叩いた。
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