【プロローグ】

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      『はあ……やっぱりコイツ……メッチャ可愛い……』       俺はたまりかねて椅子から立ち上がると、美優の身体を思いっきり抱き締めた。         「……っ!?」       突然の抱擁に戸惑う美優。       華奢な身体を抱き締めて、サラサラの髪に顔を埋める。         「な、尚之さん? どうしたの? 急に……」     俺の腕の中にすっぽり包まりながら、動揺を隠せない美優。       「美優……ええ加減“さん付け”やめてや……」   「え、でも……なんかまだ……照れ臭いよ……」   「そんな事言うなや……俺はお前のなんなん?」   少し意地悪く俺は言う。       「え……美優の……旦那様……」       今度は耳まで真っ赤になりながら、美優は小声で答えた。   「それやったら遠慮いらんやろ? いつまでも他人行儀なん、やめようや」   「違っ……」     わかってる。   美優は極端な恥かしがり屋だ。   そんな美優がかわいくて、ついついからかってしまう。     「ぷっ……」   思わず吹き出した俺を見て、美優はしかめっ面。   その顔もまた可愛い。       『なんやかんや言うて、俺、美優にベタ惚れやんなぁ…』        心の中だけで呟き、俺は可愛い新妻の頭をポンポン、と軽く叩いた。            
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