坂です

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7時44分30秒 朝礼開始30秒前 すでに先生も教卓で朝礼の準備をしている時、ギリギリに登校する生徒の中にひとりの男がいた。 「セーフッ!!」 本当に滑り込むかのように教室に飛び込んできた。 それと同時に、朝礼開始のチャイムが鳴る。 「いや~、あぶねぇあぶねぇ 危うく遅刻するとこだったぜ」 そいつは、俺の右隣の席に空っぽの鞄を投げるように置く。 無駄に近い席だ。 「一度くらい遅刻すればいいのによ、海斗。 なんでギリギリで遅刻しないんだ」 この制服のボタンを全開でほとんどブラウンに近い茶髪という喧嘩を売りまくっている姿の男は霧島海斗。 俺の小学校からの幼なじみ。 腐れ縁ってのはこういうことを言うんだと思う。 「俺の体内時計は正確なのさ。 時計は忘れてくる主義だからな」 こいつとは長い付き合いだが、体内時計が正確とか聞いたことがない。 ってか、正確ならもっと有効活用できると思う。 ……まぁ、大輔の使い方が有効的とは思えないが。
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