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ふわふわの髪の毛をゆっくりと撫でてやると、タロの体からふっ…と力が抜けた。
抱き締めていた蜂蜜色の頭を離し濡れた目元を指で優しく拭った。
黄金色の瞳がじっと私を見つめる。
「教室戻ろ…?昼休み終わっちゃう」
立ち上がると、身長が160センチもない私は180以上あるタロを見上げる形となる。
細身なくせに意外とがっしりとした腕をつかみ屋上を出ようと歩み出すが、タロは動こうとしない。
「タロ…?」
「しーな…怒ってない…?」
一瞬きょとんとする。
ああ…コイツはもう。
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