本日も、極上

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「しーな……」 子犬だ。 捨てられた子犬がいるよ。 うるうると瞳を濡らし、悲しげに私を見つめる大きな体をした子犬。 うなだれた尻尾と耳の幻覚が見える。 「タロ…」 ちょっとだけ冷たいアスファルトに膝をつき、彼の柔らかな頭部を胸に抱いた。 アスファルトに転がっていた小石が膝の肉に食い込んだ。
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