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―桐島優希様―
…優希の病室の前までくると、亜衣が優希に一生懸命話しかけているのがわかる。
「ママ…アイいっぱいママに話したいことたくさんあるんだよ…
パパとねこないだゆうえんちいったしね、どうぶつえんにもいったんだょ
こんどはママとパパとアイの三人でいきたいな」
相変わらず優希からの返事はない…
虚しく-ピッピッーピッ-ピッ
機械の音しか鳴り響かない。
それでもアイは優希にいつも楽しい話しをしてくれる。
アイはまだ七歳なのに、甘えたい年なのに…
俺は亜衣が可愛い分申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだ。
そんなモヤモヤした気持ちで病室の中に入る。
『亜衣…』
俺は優しく椅子に座っている亜衣に話しかけた。
「パパ…ママやっぱりまだおめめさめないよ。…」
亜衣は少し泣きそうになった。
『亜衣…大丈夫だ。ママは目が必ず覚める』
それに対し亜衣はまた笑顔になる。
「うん!楽しみにしてる!ママにはなさなきゃいけないことたくさんあるしね!」
俺は亜衣の頭を優しく撫でた。
すると亜衣は急に立ち上がり、「じぁアイ少しお外で遊んでくる。」
『あぁ、怪我しないように気おつけて遊んでくるんだよ』
亜衣は元気よく
「はぁ~い!」と返事をして病室を出て行った。
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