一人暮らし、始めます

8/19
前へ
/31ページ
次へ
「で、こいつ誰だよ?」 「昨日言ったじゃない、あたしの姉の子で上月未琴、あんたと同じで今年から高校2年。っていうか同じ学校でしょ?」 「え?同じ学校なの?」  引越しても学校は変わらないが、未琴には初対面の人だった。 「知るか!つーか女じゃねぇか!」 「え、ごめん。男じゃなくて‥‥」 「だっ、違う。あんたじゃなくて、‥‥いや、あんたなんだけど‥‥」  未琴は梓と呼ばれた少年に一瞬怒られたと思い謝ったのだが、梓も謝られると思ってなかったようであたふたしている。 「ったくもう‥‥、話をまとめると、梓は昨日あたしから話は聞いてたけど、勝手に男だと思いこみ楽しみにしてた‥‥ってことでしょ?」 「そう‥‥じゃなくて、なんか違う!」 「楽しみ、だったの‥‥?」 男の子がくるのが‥‥楽しみだった? 「いや、別に、違う、っだから‥‥」  ますます混乱した梓だったが、そんな梓を可笑しな目で見る二人が‥‥
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加