§青春謳歌§

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 誰しもが一度は通る道。  青い春と書いて青春。  気の合う仲間たちと悩み、悲しみ、嘆いた日々。  汗、涙、――ときどき血。  ――も、もちろん楽しんだり、喜んだりもするさ。  そう、それこそ……。  ………………。  ……まあ、とにかく色々とある時期。  学生として、社会に出る準備をする場所で過ごす時間。  人は……少なくともこれを書いている作者は、その時間の事を、こう呼ぶ。  "高校時代"と。  そんな、だれしもが経験する、汗と涙が詰め放題のビニール袋よろしく、ぎゅうぎゅうにつめこまれたはちきれんばかりの空間。  ここ、桜ノ宮市でも、そんなあたりまえの景色が展開されていた訳だが……。  さて、何と言ったら良いのか。 「夏なのよ! これ以上ぴったりな事件は無いでしょう!」  夏休み、入ってすぐ。  柳杖寺蛍は部室に呼び出された。  簡潔に、単純に、一言でまとめるならそういう事になる。  部室、それはつまり部活動を行う場所。  部のための部屋。  さて、少々逆説的な言い方になるが、部室である以上、この部屋を使い、活動するもの達がいる、または、活動する部がある、ということになる。
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