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「知ってるですか?」
ななかちゃんがそんな事を言う。
そう、場所は高校だった。
てっきり、小学生が話していたから小学校かと思っていたが、どうやら勘違いだったらしい。
そして、問題の目撃例。
それは調べられる限り古いものだと、五十年前まで遡る事が出来るという代物。
つまり、完全にあたりというわけだ。
これだけ目撃例が続けば、一人の人間が行うのは無理があるだろう。
「これ、どうやって調べたんですか?」
蛍が呆れ半分の目で訪ねてくる。
彩音は、いつも通り胸を張って答えた。
「実は、さっき話した志郎って人、彼がそこの生徒さんだったのよ」
ほう、と素直に驚く蛍。
彩音は、何となくしてやったりな気持ちになった。
「彼が、OBとか使って色々調べてくれてね。結局一緒に捜査をしようってことになったの」
「お兄さん、お姉さん、とっととお化け捕まえるです」
彩音の隣でななかが元気に言った。
蛍は難しそうな顔をする。
「なるほどねえ、すでにあかの他人を巻き込んでいる訳か。仕方ないな」
そう言って、蛍は了承した。
仕方ないって言葉が気に障ったけど、我慢。
彩音は自分の中でそう言い聞かせる。
「じゃ、明日の夜に見張りをするから」
彩音は元気に言って、会議を締めた。
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