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「大丈夫。金庫になんか入れなくても、唯の下着は俺が守る!」
「あんたが一番危ないのよ! 勝手に触ったりしたらあんたの指つめるわよ!」
そんな言葉とセットで飛んでくるやかん。
飛来したやかんは俺の頭で軽い俺を立てると、どこかへ飛んでいく。
――思ったより痛い。
やかんをぶつけられた俺はそのまま、後ろ向きに倒れた。
「ねぇ、ちょっとやかんは酷くない?」
段ボールの山の中に仰向けになりながらつぶやく。
「あんたが悪い」
彼女からは、そんな冷たい一言。
やれやれだ。
「…………ねぇ唯」
「なあに?」
「好きだよ」
「っ! ……あんたは言い方が軽いのよ。もっと言葉を大切にしなさい」
「だって、好きなんだもん。唯だーい好き」
「もう、分かったから早く片付け」
「はあい。………………ねぇ唯」
「今度はなに?」
やや、不機嫌になりつつも、唯がこちらを向いてくれた。
俺は頭の下で手を組みながら言う。
「俺達……結婚するんだよな?」
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