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クジ引きが始まった。マドンナが声をかけてきた。
「梅本君,何番だった?」
何で聞くんだと思いつつ返事した。
「俺?俺は5番。」
「嘘…アタシの後ろが梅本君じゃん!?」
何だか残念そうだった。
「俺が後ろだと不満か?」
「違うよ!!席近いの初めてだから緊張するなって思っただけ。」
嘘でも,その台詞が嬉しかった。
放課後―。
「梅本―!!お前ズルしたんだろ?な~んてね!!マドンナが前の席だろ?いいなぁ…。明日だけ席代わってくれ!!頼む梅本!!」
「嫌だよ。お前と一緒に校長室なんて御免だ。」
嘘だった。本当はマドンナが,この内野にいじられるのが嫌だったからだ。
この日から俺はマドンナのガードマンになりきっていた。
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