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なお、「社会が上下の秩序によって形成されていても、全ての成員が順番に、政治家や官僚や工場長等に就くようにすれば、誰もその地位に固定化しないから、平等といえるのじゃないか」との考えは、幻想を与える空論でしかない。
それぞれの地位には、それに必要な特別な能力が要求されるが、各人の能力格差は極めて大きいのであって、誰でもが政治家や官僚や工場長にはなれないからだ。
もしも、平等原則によって、能力のない者がそのポストに就けば、みんなが迷惑を被るだけでなく、彼自身がノイローゼになり、心身が破壊されてしまう。
「ゆとり教育」とはエリートの否定、不平等の否定であり、子供たちを低レベルに平等化しようという左翼の運動である。
左翼が文部科学省の次官になっているのである。
「男らしさ」「女らしさ」を否定し、「中性」をめざす狂った運動も展開されている。
その流れの中で「男女共同参画社会基本法」(九十九年六月)という平等法も制定された。
また国(中央政府)と地方自治体(地方政府)の「正しき上下関係」を否定して、両者を「対等(平等)・協力関係」にせんとする「地方分権」の法律も、両者の対立抗争を惹起させて、日本国家を解体せんとする左翼の運動の成果である。
左翼の平等イデオロギーと非暴力の戦いは、着実に日本社会を侵略してきているのである。
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