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七、「分配の平等」は独裁国家を造り出す
平等を「分配の平等」に限定して考えてみよう。
「分配・所得の平等」を実現するためには、「生産手段の私的所有」を否定しなけばならない。
左翼は「実質的平等」の実現を主張して、これを追求している。
私的所有の否定とは、「生産手段の国有化」(レーニン)である。
マルクスには「生産手段を共有する諸共同組合の連合体が、一つの共同計画に基づいて全国の生産を調整する」という発言もあったが、これも生産手段の国有化と実質同義だ。
なぜならば、社会主義計画経済の下では、中央が生産計画を策定し、各協同組合はそれに従うしかないのだから、各協同組合には何の自主権もなく、それは生産手段の共同所有権の否定であるからだ。
結局、生産手段の国有化ということになるのである。
「分配の平等」を実現するためには、生産手段の私的所有を否定し、国家の独占所有にして社会主義計画経済を実施しなけばならない。
この時、国家権力は処罰権に併せて国民の生活の糧をも握るから、まさしく国民の生殺与奪権を持つことになる。
だから国民は自由ゼロの奴隷の地位に落とされて迫害されることになるのである。
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