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「もぉやだ!こんなの絶対分かんない!!」
くしゃくしゃに丸めたルーズリーフをごみ箱に向かって投げる。紙は縁に当たって虚しく落ちた。
「ごみ箱に当たってもしょうがないだろ。もう一度教えてやるからさ。」
右手の指先でシャープペンシルを回しながら、兄は言った。
「うぅ~~~!」
当時、まだ小学生だった私は兄に宿題を手伝って貰っていた。兄は成績が良くて、高校でもトップだった。
私は兄が大好きだった。両親は働いていて殆ど家にいなかったから、いつも兄が相手をしてくれた。
宿題を手伝ってもらってかなり時間がたつため、私の腹の虫も鳴くわけで
「…………。」
「……飯にするか。」
こればかりはどうすることも出来ず、赤面している私をよそに兄はキッチンの方へ立った。
「何が食べたい?」
「ピッツァ・マルゲリータ!」
「作れねぇ。ラーメンな。」
私の無理な注文を一蹴すると、兄はコンロに火をつけた。
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