第Ⅳ章

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タカシが転勤になった話を聞いてから、日々は瞬く間に過ぎた。 子供の卒園式、入学式、PTAの集まり等新しい環境への参加も始まったのだった。 約束の日、また私は朝から料理の準備をしていた。「誰が来るの?」という子供の問いに「パパの従兄弟でタカシおじちゃんっていう人。大きくて優しい人よ。」と、教えた。 「一緒に遊んでくれるかな?」 と目を輝かせる 「パパが良いって言ったらね。きっと遊んでくれると思うわよ。あなたが赤ちゃんだった時も遊んでくれたのよ」 「ホントに?」 「ホント。でもあまりはしゃいじゃ駄目よ。」 「は~い」 わかったのか分からないのか、笑顔で跳びはねる姿に (私も跳びはねたい気持ちだわ…) と子供を見つめた。 料理に一段落つけ、身なりを整える…久しぶりに会うタカシに老けたと思われたくなかった。 そんな風に考えている自分が妙に照れ臭く、こそばゆかった。 子供に手伝って貰いながら、テーブルに皿や箸を並べていると呼び鈴が鳴った。 「は~い」と声をあげ玄関に向かう子供と、マサトがタカシを出迎える。「いらっしゃい」「お邪魔します」「あの子がこんなに大きくなったのか?」「だって1年生だもん」 そんな会話を聞きながら、私は胸の高鳴りをどう納めようかと四苦八苦していた。
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