第Ⅴ章

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覚悟を決め、それを望んでこの場に来たとはいえ、心臓が口から出そうな勢いで脈打っている。 タカシに言われた通りフロントの前を通り抜けエレベーターホールに向かうが体の動きが妙にぎこちない気がして、更にぎこちない動きになってしまった。 エレベーターに乗り込みあの独特の感覚に押し潰されそうになりながら、更に勢いを増す血液の流れに体が痺れたようになり、小刻みに震える… ポーンという音と一瞬の浮遊感に体がビクリとなったが、タカシの掌に押され自然に足が前に出た。 部屋に入りドアが閉まると同時に抱き締められ、体の力が抜けそうになる…名前を呼ばれ顔を上げると、唇が重なり舌が入り込む。口の中全てを探るような舌の動きに立っているのが辛くなり、背中に回した手に力が入る。 不意に体が持ち上がる…舌を絡ませたまま私はベットに運ばれる… ジャケットを脱がされ緊張で汗ばんだ体が気になりシャワーを浴びたいと思ったが、タカシの言葉に諦める。 本当は足が震えて立ち上がれそうもなかったが… ワンピースを脱がされ下着姿になる… 恥ずかしい…そして何より久しぶりの行為で自分の体がうまく反応してくれるか不安でいっぱいだった。
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