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そう言い掛けて止めた。
それを言ったところで一体どうなると言うのだ。
「早く、この世界から出たいの。出て、それで、あの人に私の気持ちを伝えたいの。」
「…あの、人?」
「優しいあの人。あの人は私の事を愛してる。でも、私が、あの人の事を好きじゃない。無理矢理自分のモノになったんだって、勘違いしてるの。」
え?
この人の想い人は、勘違いしてる?それって誰の事?
………………兄貴の、事?
「うさぎさん。私、あの人とは、こうこ、あ、えと、私の世界には、四つ?ぐらいある、学校っていう、勉強しなきゃいけない場所があってね、七歳からは小学校で、十三歳になったら中学、十六歳からは高校で、まぁ、中学までは義務教育で、高校からは、学校行っても行かなくてもいいんだけど…じゃなくて、その、高校の時に会ったの。」
あの人、本当はかなりのお喋り好きなんだな。
要点が上手く纏められてないところを見ると僕と一緒で国語が苦手。
「私、最初、凄く嫌われてて、私もあの人に嫌われてるって知ってから凄く嫌いだった。」
「………はぁ……。」
「でも、違くて、本当は中学の時から好きだったんだって。」
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