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だんだん、のろけ話になってきてるような気がする。
「…だから、ね、私、信用出来なかった。だって、中学だよ?中学からずっと好きだったなんて、罰ゲームの告白にしか思えないじゃない。」
た、確かに。
「好きって、言われた時から、無理矢理、あの人の彼女にさせられて、でも、優しいんだもん。あの人の事、いつの間にか好きになってたんだもん。」
目一杯に涙を溜める彼女。
そっか、兄貴は嫉妬の目で僕を見てたんじゃない。威嚇の目で僕を見たんだ。
彼女の気持ちが、自分に向いてないと勘違いして。彼女を取られるんじゃないかと、彼女が自分から離れていくんじゃないかと、大きな勘違いをしたんだ。
優しくて、愚かな兄貴は彼女の気持ちに気付かない。
「だから、気持ち伝えて、幸せになりたかったの。」
一方通行は嫌だから、だから、自分を押し殺したくなくて、幸せな家庭を築きたくて、精一杯の彼女の努力。
途端に、真っ白に染まる視界。
重力に従って、地面に向かって倒れる自分の体。
最後に聞こえたのは、「うさぎさん!?」と叫ぶ彼女の声だった。
「起きたな、白うさぎ。」
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