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未だにイチャ付いている二人を放置して、学校に行く。
というか、昨日のシリアスムードから一転、ピンク色なあの雰囲気は出来立てホヤホヤのカップルを見ているようだ。
だいたい、こんな早くから学校に行ったとしても生徒は居るのだろうか。
居たとしても、朝練がある部活と日直の奴だけだ。
どっかで道草でもくって………
「……………。」
溜め息を一つ吐いて、前を見ると女子が一人で歩いていた。
腰まである綺麗な黒い髪。
腰位置が高いのか、それともスカートをパンツが見えるギリギリまで折っているのかわからないが、背は低いはずなのに足が長く見える。
「……おはよう。」
こっちに気付いたのか、女子はこっちを振り向き、僕に挨拶をしてきた。
白いYシャツ、長袖の白いベスト、青と水色のストライプのネクタイ、学校指定の黒いプリーツスカート、黒いニーソ。
つり上がった意志の強そうな黒い目、ふっくらとした赤い唇、桃色の頬、陶器のような白い肌。
「おはよう。」
もう一度繰り返すように発せられた、少し高めの綺麗な声。
「……お、はよ…。」
その女子を一言で表すなら、
可愛い……。
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